RESCUE-Japan Study

Recovery by Endovascular Salvage for Cerebral Ultra-acute Embolism (RESCUE)-Japan Study

apt-out






RESCUE-Japan Study Group
超急性期脳梗塞に対する血管内治療研究会


主任研究者

吉村 紳一  兵庫医科大学 脳神経外科学講座
坂井 信幸  神戸市立中央市民病院脳神経外科


1. 本研究会について

本研究会は、わが国における超急性期脳梗塞に対する血管内治療の治療効果を科学的に検証するための研究組織である。通称RESCUE-Japan (Recovery by Endovascular Salvage for Cerebral Ultra-acute Embolism-Japan) study groupとする。


2. 目的

本研究会は、わが国における超急性期脳梗塞に対する血管内治療の発展に寄与することを理念とする。本研究会の目的は以下のとおりである。

1) 超急性期脳梗塞に対する血管内治療の臨床研究の計画、実施

2) 研究データの解析とそのデータの公表と発信


3. 進行中の研究
※各項目をクリックすると詳細が表示されます
3-1. RESCUE-Japan Registry 2(超急性期脳梗塞に対する血管内治療の有効性確認のための登録研究)

1. 意義と目的

RESCUE-Japan RCT研究参加施設において、脳主幹動脈急性閉塞症の治療実態を知ることは重要である。このため多施設前向き登録調査により脳主幹動脈急性閉塞症の全体像を明らかにすることを目的とする。


本研究の登録は終了いたしました。多数のご登録ありがとうございます。現在結果を集計しております。

3-2. RESCUE Japan Project

1.意義と目的

 脳主幹動脈閉塞症に対する血栓回収療法の有用性が示され、米国心臓協会のガイドラインにてt-PA静注療法に本治療を追加することが強く推奨された(グレード1a)。

 しかし、本治療法は年間1万件に達していないと推定され、わが国における脳梗塞による年間死亡数が年間6万6,058人(厚生労働省「平成26年 人口動態統計(確定数)の概況」より)を考慮すると著しく不足していると考えられる。また、第32回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会において全国アンケート調査を行った結果、多くの都道府県で治療を行えない地域が存在することが示唆された。

 このため同会にて「脳梗塞に対する血管内治療の普及に関する学会宣言(神戸宣言)」を行った。本宣言においては、わが国において今後、脳梗塞に対する血管内治療を普及させるためのプロジェクト(RESCUE-Japan Project)として以下の順でアクションを起こすことを明示した。

 Action1:調査と公表
血栓回収療法が受けられるエリアと受けられないエリアを正確に調べ、その情報を公表する

 Action2:啓発
急性期脳梗塞に対する血管内治療が有効であることを全国に知らせる

 Action3:実践
治療をできるだけ多くの患者に行うための支援をする

 本プロジェクトの目的は、我が国の血栓回収療法の実態を明らかにして公表することで、より多くの患者が治療を受けられる体制を構築できるように支援することである。

2. 研究の実施方法及び期間
 我が国の血栓回収療法の実態調査と解析
1) JSNET専門医に対し、2016年1月1日〜12月31日までの期間の急性再開通療法の治療数を調査する

2) 都道府県単位の総治療数と市区町村単位の治療実態を解析する

3) 本実態調査は、その後も3年間継続して行う
3-3. RESCUE-Japan LIMIT研究
1. 意義と目的

2015年に内頚動脈や中大脳動脈水平(M1)部などの前方循環系の近位部主幹動脈閉塞による急性期脳梗塞に対して、rt-PAを含む内科治療に加えて、主にステントリトリーバーを用いた血管内治療を追加することが、内科治療単独の場合よりも患者の転帰を改善させるという比較試験の結果が相次いで報告され、脳主幹動脈閉塞症に対する血管内治療のエビデンスが確立した。
一方で、ASPECTSが6点未満の広範囲な初期虚血性変化を有する患者に対する血管内治療の有効性は未だ証明されていない。
そこで、我が国独自の適応基準に基づき、ASPECTS6点未満の脳主幹動脈急性閉塞による脳梗塞患者に対する血管内治療の有効性を明らかにすることを目的として、本研究を計画した。
本研究の主要目的は、広範囲の初期虚血性変化を有する脳主幹動脈急性閉塞症患者(ASPECTS 3-5またはDWI-ASPECTS 3-5)を対象として、血管内治療による治療の有効性を評価することである。

【選択基準】
1) 急性期脳梗塞と診断される
2) 18歳以上
3) 同意取得時NIHSS≧6
4) 発症前に社会生活が自立している(mRSスコア 0または1)患者
5) CT AngiographyもしくはMR Angiographyにて内頚動脈または中大脳動脈M1部の閉塞が確認できた患者
6) ASPECTS 3-5またはDWI-ASPECTS 3-5の患者
7) 最終健常確認時刻から6時間以内に割付可能、もしくは最終健常確認時刻から6-24時間に割付可能かつ頭部MRIFLAIR画像にて早期虚血性変化に合致した高信号領域を認めない患者
8) 割付から60分以内に血管内治療が開始できる患者
9) 本研究への参加について、書面による本人または代諾者の同意が得られている

【除外基準】
1) CT(又は MRI)において正中線偏位を伴う重篤な圧迫効果が認められる患者
2) 造影剤に対するアレルギー(発疹より重度)の既往歴がある患者
3) CT又はMRIにおいて出血が認められる患者
4) 妊娠しているまたは妊娠の可能性がある患者
5) 臨床的に慢性閉塞と考えられる患者
6) 出血リスクの高い患者(血小板数<4万/μL, 活性化部分トロンボプラスチン時間[APTT]>50秒, またはPT-INR>3.0)
7) 他の臨床試験に参加している患者
8) その他、担当医が試験への組み入れが不適切と判断する患者

目標登録症例数:
200例 (患者登録を完了した被験者の数)
100例(血管内治療群)、100例(非血管内治療群)

研究全体の期間:
3年、但し研究計画が承認された日から研究全体が終了する日まで
研究デザイン
前向き、非盲検、ランダム化比較対照研究

【主要評価項目】
割り付け後90日時点のmRS 0-3

【副次評価項目】
1) 割り付け後90日時点のmRS 0-2
2) 割り付け後90日時点のmRS 0-1
3) 割り付け後90日時点のmRS
4) 割り付け後48時間時点でNIHSSが同意取得時よりも8点以上の改善

【安全性評価項目】
1) 割り付けから48時間以内の症候性頭蓋内出血の発生
2) 割り付けから48時間以内のすべての頭蓋内出血の発生
3) 割り付け後90日以内の全死亡(mRS 6)
4) 割り付け後90日以内の脳梗塞の再発
5) 割り付け後7日以内の外減圧術の施行

RESCUE-Japan事務局

兵庫医科大学 脳神経外科学講座
〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号
TEL: 0798-45-6455
FAX: 0798-45-6457
Email: rescue-j@hyo-med.ac.jp